
借金の一本化・おまとめローンとは
借金の一本化とは、複数の借入先からの借金(多重債務)を金利の低い一社に借り返ることで、毎月の返済負担を軽減することを目的とした行為のことを言います。
通常、銀行や消費者金融などから低金利で借入をし、そのお金で現在ある複数の債権者への借入を完済を目指します。
おまとめローンは、金融機関・貸金業者がこのような一連の行為をサービスとして提供する金融商品です。
上手く利用すれば返済総額を減らすことが可能ですが、落とし穴もあるため注意も必要です。
このページでは、借金の一本化・おまとめローンの内容とそれを騙る詐欺の危険性について説明をしていきます。
借金の一本化・おまとめローンの事例

おまとめローンは、複数社からカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用して、借金の総額が膨れ上がっている場合に利用するローンです。
複数の貸金業者・金融機関から借りては返すを繰り返し、自転車操業状態になっている場合に、債務負担を軽減するために利用されています。
また、借入先の管理が楽になれば、スムーズな返済が可能になります。
このような事態に対処する場合は、任意整理や自己破産などの債務整理を選ぶことが解決への近道ですが、おまとめローンを利用して借金の一本化を選択する方法も一般的です。
おまとめローンは、金利の低い(年14.0%前後)銀行カードローンからお金を借りて、現在、借入をしている債権者に返済します。
そのため、その後の返済は、おまとめローンを利用した銀行や消費者金融にしていくことになります。
このように、おまとめローンは、今まで支払っていた複数社への高い金利から、一社に限定して低い金利に一本化することでトータルの返済負担を減らすことが目的です。

個人向けカードローンには、大きく銀行カードローンと消費者金融カードローンの2つがあります。その他にも信販系カードローンなども存在しますが、ここでは銀行系と消費者金融系の2つに焦点を当てて説明しています。
銀行カードローンは、消費者金融カードローンに比べて金利が低く設定されているため、おまとめローンを利用する際は、銀行カードローンを選択するケースが一般的です。
銀行カードローンと消費者金融カードローンの違い
銀行カードローンと消費者金融カードローンの違いには、次のような点が挙げられます。
銀行系カードローン | 消費者金融系カードローン | |
---|---|---|
金利 | 年14.0%前後 | ~年18.0% |
審査 | 数日かかる場合も | 最短即日 |
キャンペーン | なし | あり(30日間無利息キャンペーンなど) |
総量規制 | 対象外 | 対象 |
消費者金融カードローンは、利息制限法(年15.0%~20.0%)に基づいた金利を掲げていますが、銀行カードローンはそれよりも低い金利に設定している所が多いようです。
また、銀行カードローンは、借入総額を年収の3分の1に制限する総量規制の対象外であるため、高額の借入に向いています。ただし、最近は金融庁の注意により、各金融機関は自主的な判断で高額貸付を抑制していると見られています。
金利が低く高額借入が可能ということからも分かる通り、おまとめローンを利用する場合は銀行カードローンが適していると言えます。
ちなみに、大手消費者金融のアコム、アイフル、プロミスでは、「貸金業法に基づくおまとめローン」という名称でサービスを提供しています。
おまとめローンと借り換えローンの違い
おまとめローンによく似たローンに、借り換えローンというものがあります。
借り換えローンもまた、低金利の借入先に借り換えることで、金利負担の軽減を図ることが狙いです。
おまとめローンは、複数の業者からの借入を1社にまとめる方を対象としていますが、借り換えローンは、複数の業者からではなく1社のみの借り入れをしている方を対象にしています。
借り換えローンは、単純に現在の金利負担を減らすことで、毎月の返済を楽にすることが目的です。
また、基本的には、個人向け無担保ローン(カードローンなど)よりも、主に住宅ローンなどで利用される方法として認識されています。
おまとめローンのメリット・デメリット
おまとめローンのメリット・デメリットには、以下のようなものがあります。
おまとめローンのメリット
返済総額が少なくなる
おまとめローンを利用すれば、毎月の金利分の支払いが減少するので、先々の返済負担も少なくなります。
そのため、長い目で見れば、返済総額が大きく変わってきます。
また、現在の支払い能力に応じて毎月の返済金額を調整することが出来るので、無理なく支払いを続けることが可能になります。
管理が楽になる
1社に限定して借り換えを行うので、これまでバラバラだった毎月の支払日が1日で済むようになります。
これまでは、複数ある業者の支払期日ごとに、お金の都合をつける必要がありましたが、一本化をすればこのような面倒や支払い忘れなどは無くなります。
日々の生活や仕事の他に、毎月何度も訪れる複数の支払いを管理していくのは骨の折れる作業です。
このような労力や精神的負担をカットすることが出来るのもおまとめローンのメリットです。
おまとめローンのデメリット
審査が厳しい
おまとめローンもローンであるため、当然、申し込みをした後は審査が行われます。
その場合、通常のローンよりも審査基準が厳しいという特徴があります。
複数社からの長期間の借入となると、借金総額も大きくなっていることが予想されるため、一本化する金融機関からの借入額も大きくなる傾向にあります。
もちろん、借り入れ金額が大きくなればなるほど、返済能力や信用力の有無を問われることになります。
そのため、おまとめローンは、ある程度の収入があり、支払い実績のある方でないと、審査に通らないケースも多いようです。
必ずしも最低金利で借りれるわけではない
カードローンを提供する金融機関のオフィシャルWEBサイトなどで掲載されている実質年率は、基本的に最低金利を表記しています。
審査内容によっては、この金利を上回る場合もあるため、必ずしも表記されている一番低い金利で借りることができるわけではありません。
そのため、おまとめローンの審査に通った場合でも、返済総額があまり変わらないというケースもあります。
このような理由から、債務(借金)の減額を図る場合は、おまとめローンよりも債務整理(最もポピュラーなのは任意整理)の方が適しています。
おまとめローンと任意整理
おまとめローンと任意整理は、どちらも返済総額や毎月の返済額を軽減するための方法です。
おまとめローンは、借入先を金利の低い1社にまとめることで、多重債務状態の時よりも返済総額を減らすことが期待できます。
一方、任意整理は、金融機関や消費者金融と交渉をすることで、利息や遅延損害金のカット(免除)や債務総額の軽減を図ることができる手続きです。
任意整理は、個人でも行うことが出来ますが、一般的には、弁護士や司法書士(認定司法書士)といった債務整理を専門に扱うエキスパートに依頼することになります。
おまとめローンと任意整理には、次のような違いがあります。
おまとめローン | 任意整理 | |
---|---|---|
返済先 | 1社に限定される | 各債権者に返済していく |
利息 | 下がる ※ | 無くなる ※ |
信用情報 | 登録されない | 登録される |
依頼先 | 銀行・消費者金融 | 弁護士・司法書士事務所 |
※ 必ずしも利息が下がる、もしくは無くなる訳ではありません。
返済先
おまとめローンを利用した場合の返済先は、借り換えをした1社に限定されます。
任意整理をした場合は、これまで通り、複数の債権者(消費者金融やカード会社など)に返済していくことになります。
利息
おまとめローンでは、返済時の利息の軽減は期待出来ますが、ゼロになることはありません。
任意整理は、経過利息や将来利息、遅延損害金が免除される場合があるため、返済負担だけでなく、現在の債務負担が小さくなることも期待できます。
信用情報
おまとめローンを利用しても、支払いの延滞をしない限り、信用情報機関(CICやJICCなど)に事故情報(異動情報)として登録(いわゆるブラックリスト)されることはありません。
一方、任意整理をすると、いわゆる金融事故に該当するため、信用情報機関に一定期間登録されることになります。
依頼先
最終的な依頼先は、どちらも銀行や消費者金融になりますが、任意整理の場合は、本人に代わって弁護士や司法書士などの法律の専門家が交渉にあたります。
そのため、借金を抱えている方の依頼先は、弁護士・司法書士事務所ということになります。
おまとめローンを利用する場合は、毎月の返済額以外の費用は発生しませんが、専門家に任意整理を依頼すると毎月の返済額以外に着手金などの費用が発生します。
※たとえ費用がかかっても、債務の圧縮率の方が大きくなる場合もあるため、総合的に考えれば専門家に依頼した方が負担軽減が図れます。
一般的に、任意整理をはじめとする債務整理は、現在の借金を減らすことを目的としますが、おまとめローンは金利負担の軽減のみを目的としています。
そのため、本格的に借金を減らしたい場合は、任意整理をする方が効果的であると言えます。
借金の一本化・おまとめローンの注意点
上手に使えば、現在よりも支払いが楽になるおまとめローンですが、意外な落とし穴も存在します。
おまとめローンを利用すれば、金融機関からまとまったお金を調達することができます。
そして、そのお金で現在の貸金業者へ一括返済で完済するのが一連の流れです。
しかし、その後、完済した貸金業者から再度お金を借りるというパターンがしばしば散見されるようです。
つまり、おまとめローンを利用した銀行と新たに借り入れをした消費者金融からお金を借りている状態となるため、以前よりもさらに借金が膨らむことを意味します。
基本的に、完済をした事実はプラスの評価に繋がるため、審査にも通りやすく、次回の借入がしやすいということがあるようです。
また、消費者金融によっては、完済した人には通常よりも低い金利で貸してくれるところがあるという点も要因と一つと考えられます。
このような状態に陥ると、任意整理をしても効果が薄いため、個人再生や自己破産などの債務整理を選択せざるを得なくなります。
借金の一本化詐欺・おまとめローン詐欺の特徴

借金の一本化・おまとめローンは、複数の業者から借入をしている場合に、少しでも低い金利で貸してくれるところへ借り換えをして、今の返済負担を減らすことが期待できます。
しかし、世の中には、借金の一本化を装い、違法に金銭を騙し取る悪質な業者が存在します。
このような詐欺のことを「借金の一本化詐欺」、もしくは「おまとめローン詐欺」と言います。
単純に、詐欺行為でお金を巻き上げるケースが一般的ですが、違法な金利で貸し付けを行うヤミ金とみられるケースも確認されています。
巧妙な手口で事に及ぶため、気づかず被害に遭われる方も多いようです。
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詐欺の手口
借金の一本化・おまとめローンを騙る詐欺の勧誘は、通常、DM(ダイレクトメール)やハガキ、電子メールを使用したいわゆる”迷惑メール”などで行われます。
宛名には、まったく取引をしたことのない業者名が使用されており、文面には「借金を一本化できます」「低金利でお金を借りれます」などの文言が記載されています。
業者名には、実在する大手消費者金融や銀行の名前を騙っている場合もあるため、よく注意する必要があります。
送られてきたDM・ハガキに掲載されている電話番号に問い合わせをしたり、メールに記載されているURLリンクを経由して申し込みをすると、保証料や手数料等の名目でお金を払うように要求されます。
一般的には、消費者金融カードローンや銀行カードローンは、手数料や保証料を支払う必要はありません。全て「実質年率」に含まれています。
実質年率とは
実質年率(実質年利)とは、借入金額に支払利息、手数料、印紙代などの諸費用の合計額を換算した金利のこと。消費者金融などでは、金利を掲載する際は、実質年率で表示するように定められている。
利息制限法の上限金利は、元本額により年15%~20%。
また、「融資を行うにあたって、事前に保険に加入する必要がある」などと説明し、不当に保険金名目のお金を要求するケースや「金融庁から貸付停止措置が取られているので、解除費用を支払う必要がある」などの名目で手数料と称した金銭を詐取するケースも確認されています。
電話で連絡をした場合は、その通話を切らせないようにATMにまで誘導させる手口を使用することがあります。
これは、被害者が第三者に相談して冷静な精神状態になることを避けるために行われる詐欺の常套手段だと考えられています。
まとめ
「借金の一本化できます」などの勧誘メールやハガキが送られてきた場合は、まず詐欺を疑うようにして下さい。
正規の金融機関や貸金業者は、このようなメールやハガキを送ってくることはありません。
借金の一本化・おまとめローンを利用する場合は、怪しいところは避けて信用できる大手の金融機関・貸金業者を利用するように心がけましょう。
おまとめローンでは、金利負担の軽減と返済先の一本化などを期待することができますが、任意整理であれば利息のカットや残債の圧縮ができる場合があります。
任意整理は、おまとめローンよりも返済負担を減らせる効果が大きいため、本格的に借金を減らしたい場合は、任意整理などの債務整理を行うことをおすすめします。
また、借金の一本化を装い違法な貸し付けを行うヤミ金融も存在します。
ヤミ金は、はじめから不当なお金を得る目的で貸付を行っているため、本来、お金を返済する必要はないという見解が一般的です。また、支払ったお金も返還しなければならないとされています。
ただし、個人で対応するには限界があるため、専門家に相談することが解決への一番の近道になります。
ヤミ金被害に遭った場合は、警察やヤミ金問題を専門に扱う弁護士・司法書士事務所に相談するようにしましょう。
法律の専門家に依頼をすれば、ヤミ金への支払いを続ける必要はなくなります。
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