パチンコ金融
パチンコ金融 とは、パチンコ・パチスロなどのギャンブルをする人をターゲットにしている闇金のことを指します。別名「スピード貸し」とも呼ばれます。
ギャンブルと借金は、ある意味相性は良いですが、それは最悪の組み合わせです。
このページでは、パチンコ金融についての特徴や対処法などについて説明しています。
パチンコ金融の特徴
パチンコ金融は、パチンコや競馬、競輪、競艇、オートレースなどに嵌る、ギャンブラー特有の「ここまでつぎ込んだんだから、そろそろ勝てるはずだ」といった心理を利用して融資を持ちかけます。
ギャンブルに勝つと、その時の成功体験から来る快感を再び味わいたいという気持ちが高まり、次第にのめり込んでしまうというケースは少なくありません。
逆に、ギャンブルに負けた場合でも、その負けをさらにギャンブルで取り返そうと思い、「次はきっと勝てるはずだ」という根拠のない自信から、ギャンブルに依存してしまうケースも見られます。
パチンコ金融は、このように熱くなって冷静さを欠き、生活費を投げ打ってでもギャンブルにはまるような人を主なターゲットとしています。
パチンコ金融と同様に、ギャンブラーに対して貸し付けを行う違法金融業者には、競馬ファンを狙った「競馬金融」があります。
2014年8月、厚生労働省研究班は、日本国内の成人のうちギャンブル依存症（病的賭博）の疑いがある人は５３６万人（人口の４.８ ％）を記録したと発表しています。
日本はパチンコやスロットなどの遊技場が身近に存在するため、世界でもギャンブル依存症の割合が高い国の１つだと言われています。
また、最近では、パチンコ・パチスロ店は、クリーンなイメージを打ち出して若い女性客を取り込もうとしていることもあり、老若男女を問わずパチンコ金融を利用する人が増えているようです。
ただし、法的にはパチンコ・パチスロなどは賭博ではないとされています。
パチンコ・パチスロは、あくまでも「遊技」や「エンターテイメント」「アミューズメント」であると定義されています。
とは言え、交換所を通じて換金することが出来るわけですから、実際には賭博と同様の性質を持つと考えられます。パチンコ店は、合法的に営業するために三店方式を採用しています。
三店方式とは
パチンコ店（ホール）・景品交換所（換金所）・景品問屋の3業者、そして、パチンコ遊戯者が特殊景品を経由することでパチンコ玉の現金化を図ることが出来るスキームのこと。
賭博罪を回避するために、建前上はパチンコ店・景品交換所・景品問屋はそれぞれ独立していることになっている。
パチンコ・パチスロは、遊戯者の射幸心（運の要素に任せて一攫千金を得たいという心理）を煽る要素が強いため、ギャンブル性の高い行為であることは間違いありません。
また、当たりへの期待感を喚起するような演出を多用しているなど、より依存度を高める効果も施されています。
事実、厚生労働省研究班は、パチンコ・パチスロをギャンブル依存症の主因と認めています。
パチンコ金融の手口
パチンコ金融の勧誘は、パチンコ屋や、競馬場、競輪場、競艇場、オートレース場などのギャンブル遊興施設の駐車場に停めてある車のフロントガラスとワイパーの間にビラを挟んだり、自転車のカゴなどに広告チラシを配布して行います。
また、ギャンブル施設周辺の電柱などにチラシやビラを張って、勧誘する場合もあります。
チラシには、「パチンコの軍資金貸します」、「勝ったらその場で返済可能」などの謳い文句が掲載されています。
つまり、「あと少し打てば勝てる」というギャンブラーの心理を巧みに突いた集客方法であると言えます。
通常、広告チラシ・ビラには、闇金業者の電話番号のみが記載されています。
このように、連絡先が携帯番号のみであるため、090金融の一種であると認識されています。
広告チラシに掲載されている番号に電話を掛けると、そのホールに現金を持って来てくれます。
ワンコールで資金を調達することができるため、一見して利便性の高そうなサービスですが、当然、そんなに甘いものではありません。
パチンコ金融は、金銭を貸す際の条件として、返済時に1日1割（カラス金:1日で1割の金利）などといった超高金利を支払うように求めてきます。
「勝てば利息分を支払ってもおつりが来る。」と考えてしまいがちですが、現実はそう簡単にはいかないものです。
確かに、運よくパチンコに勝った場合は、すぐに返済することが出来るので借金地獄に陥ることはありません。
しかし、ギャンブルは必ず勝てるという性質のものではない（むしろその逆が多い）ため、多くの場合、返済が滞ってしまうのが実情です。
もちろん、返済が滞ればヤミ金の取り立てが始まります。
中にはパチンコ屋から自宅まで同行し、自宅付近で返済を迫る悪質業者も存在するようです。
ヤミ金に自宅を知られると、家族や近隣住民にまで被害が及ぶケースがあるため、リスクが大きくなってしまいます。
パチンコ金融の対処法
そもそも、出資法（年20.0%）に違反する超高金利で貸付けるヤミ金からの借入れについては、原則、返済する必要はありません。
法律を理由に返済を拒否することが可能です。
しかし、現実には返済を巡ってトラブルになるケースが後を絶ちません。
個人で対処することはきわめて難しいというのが実情です。
そのため、このようなパチンコ金融を利用しない（自己資金で行う）ことが最善だと言えますが、もし万が一、お金を借りてしまった場合は、すぐにヤミ金問題を扱う法律の専門家に相談するようにして下さい。
ヤミ金トラブルは、なかなか個人で対処することが難しい性質のものであるため、専門家が介入することが問題解決の近道となります。
しかし、法律の専門家に依頼してヤミ金問題を解決してもらっても、再びパチンコにのめり込んでしまえば、同じことを繰り返すことになりかねません。
そのため、ギャンブル依存を根本から改善することを考えて下さい。
今やギャンブル依存症は、意志の弱さなど性格から来るものではなく、やめられない心の病気、精神疾患という認識が一般的なものとなっています。
心当たりのある方は、病院や医療施設での治療やカウンセリングを通じて、ギャンブル依存症を克服して下さい。同じことを繰り返さないためにも、今までの依存体質から抜け出すように取り組むことをおすすめします。
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