借金問題で悩んだら債務整理を考えてみませんか?

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Contents

借金問題と債務整理

借金問題や多重債務の悩みは、債務整理手続で解決することが出来ます。

債務整理手続には、任意整理、自己破産、個人再生、特定調停があります。

それぞれにメリット・デメリットがあり、年収や借り入れ状況などのケースに応じて、最も適した手続きを選ぶことになります。


ただし、債務整理をすることが出来るのは、正規の貸金業者(消費者金融・クレジット会社など)や金融機関(銀行など)からの借り入れに限られます。


正規の貸金業者とは、財務局長または都道府県知事の登録を受けた業者のことを指します。

貸金業を営む際は、必ずこの登録を受ける必要があります。(貸金業法 第3条)


ヤミ金融は、貸金業登録をせずに、無許可で貸金業を営む違法業者です。


そのため、ヤミ金からの借り入れは債務整理の対象外となります。


債務整理 とは、借金の減額手続きや支払い猶予を持たせたりすることで、借金の負担を軽減することが出来る手続きのことです。借金の整理を行う手段としては、主に任意整理、自己破産、個人再生などがあります。今や世間的に一般的になった債務整理ですが、はたして闇金にも対応しているのでしょうか?

ヤミ金に関する悩みは、ヤミ金問題を専門に扱う弁護士・司法書士に相談して解決してもらうことになります。


しかし、ヤミ金からお金を借りたことのある人の多くが、消費者金融などのカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用した経験のある人だと言われています。

そのため、ヤミ金問題の解決と併せて、正規貸金業者からの借り入れについても整理を検討されることをおすすめします。


このページでは、正規業者からの借金トラブルを解決するための債務整理手続に関する解説をしています。



債務整理とは

債務整理とは、借金を減額したり、免除してもらうための手続のことを言います。

債務整理には、大きく私的整理法的整理の2種類があります。


私的整理とは、裁判所を介さず、債権者と債務者が直接交渉をして、借金の減額や将来利息のカットをしてもらう手続きのことを言います。任意整理、過払い金請求などがこれに該当します。

法的整理とは、裁判所の関与の元、法的に債権・債務を処理する手続のことを言います。自己破産や個人再生などがこれに該当します。


私的整理法的整理
内容裁判所を利用せずに、債権者と直接交渉することによって借金等の減免を含めた返済計画などを決め、債務を整理する手続のこと。裁判所による法的手続きによって債権債務を処理する手続きのこと。
手続き任意整理、過払い金請求自己破産、個人再生

私的整理、法的整理は、本来、企業の事業再生の分野で使用される用語です。


債務整理の種類

債務整理手続には、次の4種類の方法があります。


  • 任意整理
  • 特定調停
  • 個人再生
  • 自己破産

借金の減額効果は、下にいくほど大きくなります。(任意整理が最も小さく、自己破産が最も大きい)


任意整理

任意整理

任意整理は、最もポピュラーな債務整理手続として知られています。

裁判所を通さずに、直接債権者と交渉することで返済方法などを見直し、現在の債務負担を減らすことが出来ます。

交渉により和解が成立すると利息(将来利息・経過利息)や遅延損害金がカットされ、元本のみを3~5年間程度をかけて分割で返済していくことになります。

また、利息制限法に基づく引き直し計算により、払い過ぎていたお金が戻ってくる場合があります。

これより、借金の総額と毎月の返済額を減らすことが出来ます。


任意整理のメリット

任意整理のメリットには、次のようなものがあります。


  • 貸金業者からの支払い督促がストップする。
  • 周囲に知られることがない。
  • 借金総額を減額できる。
  • 払いすぎたお金が返ってくる場合がある。
  • 資格制限や職業制限がない。
  • 財産を処分する必要がない。
  • 整理する業者を選ぶことが出来る。

貸金業者からの支払い督促がストップする

任意整理手続は、個人でも行うことが可能ですが、一般的には、弁護士や司法書士が代理人となって交渉を行います。


任意整理を弁護士・司法書士に正式に依頼をすると、債権者に対して受任通知が送付されます。

受任通知書が債権者に届くと、その時点で取り立てや督促はストップします。


周囲に知られることがない

任意整理は、裁判所を介さず行われるため、自己破産や個人再生などのように官報に掲載されることはありません。

また、弁護士・司法書士は、職務上知りえた秘密は守らなければならない(守秘義務)と法律で定めれていることから、相談した内容が第三者に漏れる心配はありません。


借金の減額

かつては、利息制限法に基づく引直計算によって債務残高が減少していました。

これは、2010年以前のグレーゾーン金利時の借り入れを指します。


グレーゾーン金利とは

グレーゾーン金利とは、かつて存在していた利息制限法と出資法という2つの法律が定める金利差のことを指します。

かつては、利息制限法が定める上限金利(15.0~20.0%)を超えるものの、出資法で罰則を定めている上限金利(29.2%)未満であることから、罰せられることはありませんでした。


2010年6月18日に完全施行された改正貸金業法により、出資法の上限金利が引き下げられ、金利差は無くなりました。


つまり、借金の減額が期待できるのは、グレーゾーン金利で貸し付けをしていた場合に限られます。

ただし、例外もあり、一部の消費者金融や銀行系カードローンは利息制限法の範囲内で金利を設定していました。


利息制限法を超える金利での貸付は、原則無効です。


これに違反する貸付は、不当利得に該当します。

そのため、これにより損失を受けた者は、返還請求をすることが認められています。


民法第703条 不当利得の返還義務

不当利得とは、法律上の原因(正当な理由、根拠)がないのに、他人の財産や労務によって利益を受け、そのために当該他人に損害を及ぼす行為やその利益のこと。


この不当利得の返還を求める行為のことを過払い金返還請求と言います。


払いすぎたお金が返ってくる場合がある

出資法の上限金利である29.2%で借入れをしていた場合は、過払い金が発生している場合があります。

この払いすぎたお金を取り戻す手続のことを過払い金返還請求と言います。

最後の取引(返済や借入、完済)から10年以内であれば、過払い金返還請求を行うことが出来ます。10年を越えている場合は、時効にかかるため取り戻すことが難しくなります。


※過払い金は2010年より以前の借り入れが対象です。2010年6月18日に貸金業法が改正され、出資法の上限利率が29.2%から20.0%に引き下げられました。


過去の取引で過払い金があるかどうかよく分からない方は、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。通常、相談にかかる費用は無料です。


資格制限や職業制限がない

自己破産をすると、裁判所から免責が確定するまでの期間は、一部の職業や資格は制限を受けることになります。

任意整理は、このような資格制限や職業制限は一切ありません。


財産を処分する必要がない

自己破産の免責が決定すると、ほとんどの財産を処分しなければいけません。

しかし、任意整理の場合は、必ずしも財産を処分する必要はありません。


ただし、任意整理の対象が自動車ローンの場合は、自動車を処分しなければいけないケースが一般的です。


整理する業者を選べる

たとえば貸金業者A~Eの5社の内、A、B、Cの3社だけを選んで手続することが出来ます。

任意整理は、その他の債務整理手続に比べて、柔軟性があり自由度が高い点がメリットです。



任意整理のデメリット

任意整理のデメリットには、次のようなものがあります。


  • 信用情報機関に登録される。
  • 借金がゼロになるわけではない。
  • 和解が成立しないケースもある。

信用情報機関への登録(ブラックリスト)

任意整理を行うと、その事実が信用情報機関(JICC、CICなど)に異動情報として登録されます。

この異動情報として登録されることを、ブラックリストと言います。


任意整理の事実が事故情報として信用情報機関に登録される期間は、一般的には5年間とされています。


借金がゼロになるわけではない

任意整理は、自己破産のように借金の返済が免除されるわけではなく、返済負担を軽減するための手続きです。

支払い条件を見直すことで、返済をしやすくし、完済に繋げることを目的とします。


そのため、基本的には継続して収入がある方が対象になります。


和解が成立しないケースもある

任意整理は、裁判外での交渉のため、必ずしも提示した条件で和解が成立するとは限りません。

場合によっては債権者側が和解に応じないこともあります。つまり、任意整理手続が失敗するということです。

業者の中には、会社の方針で一切の減額に応じないところもあります。


しかし、これは稀なケースです。

弁護士・司法書士などの専門家が代理人として交渉を行えば、よほど悪質な取引状況でない限り、和解は成立します。


任意整理の事例
任意整理の事例



特定調停

特定調停

特定調停とは、民事調停手続の一つです。

調停制度は、紛争当事者双方の間に第三者が介入して紛争の解決を図るための制度です。


特定調停手続では、裁判官と調停委員が申込者(債務者)と債権者の間に立ち、借金の額や返済方法などについて話し合いを行います。

交渉が成立した場合は、調停調書が作成され、この返済計画に基づいて返済を続けていくことになります。


任意整理と同様に、利息制限法の上限金利による引き直し計算により減額を図ります。ただし、調停内容によっては過払い金が戻らない場合もあります。


調停成立後は、返済計画に基づいて、3年もしくは5年をかけて完済を目指します。


特定調停のメリット

特定調停のメリットには、次のようなものがあります。


  • 手続費用が安い。
  • 解決までの期間が短い。
  • 借金の減額が図れる。
  • 申し立てを行うと支払い督促がストップする。

手続費用が安い

特定調停を申し立てる場合は、債権者一社あたり手数料として500円分の収入印紙が必要です。

また、手続費用として、一社あたりにつき、420円分の予納郵便切手が必要になります。


代理人として弁護士を立てた場合は、別途弁護士費用がかかります。


解決までの期間が短い

調停期間としては、3~4ヵ月程度を要します。

任意整理は、早ければ3ヵ月、長い場合は半年程度を要します。自己破産の場合は、3ヵ月~1年程度が目安です。


申し立てをすると、裁判所から2~3週間後に調停期日が明記された呼出状が届きます。

裁判所へは、申し込みを含めて最低3回程度出頭する必要があります。


借金の減額が図れる

任意整理と同様に、利息制限法の上限金利に基づいて利息の引き直し計算を行い、債務負担を軽減することが出来ます。

債権者によっては、将来のカットにも応じて貰える場合もあります。


支払督促がストップする

裁判所に、特定調停の申し立てをすることで、債権者からの支払い督促がストップします。

申し立てから2、3日後に、裁判所から各債権者に対して申立の事実を記載した通知が送付されます。

債権者は、裁判所からの通知を受け取った後に、直接取り立て行為を行うことは法律上禁止されています。


任意整理であれば、弁護士・司法書士に依頼をしたその日の内に取り立て行為がストップしますが、特定調停の場合は、取り立てが停止するまでに少し時間がかかります。


特定調停のデメリット

特定調停のデメリットには、次のようなものがあります。


  • 手続は全て本人が行う。
  • 和解が成立しないケースもある。
  • 調停成立後、支払不能に陥ると給与等の差押さえにあう場合がある。
  • 信用情報機関に登録される。
  • 周囲に知られる可能性がある。

手続は全て本人が行う

特定調停は、原則、借主(債務者)本人が申し立てを行い、債権者と交渉をする必要があります。


任意整理を専門家に依頼すると、弁護士・司法書士が本人に代わって行ってくれますが、特定調停の場合は、必要書類の入手から交渉まで一人で行うことになります。

また、債権者ごとに交渉を行うため、複数業者から借入れをしている場合は、その都度裁判所に足を運ぶことになります。

調停期日は、平日に限られるため、会社員の方は会社を休む必要性が生じます。


和解が成立しないケースもある

裁判所が仲介役を担いますが、

あくまでも当事者間(申立人と債権者)での話し合いによる手続のため、和解に至らず調停不成立になることもあります。


個人再生

個人再生

個人再生とは、裁判所を通じて再生計画を作成し、債務を大幅に減額してもらうことが出来る債務整理手続のひとつです。

企業を再建するための民事再生法を個人にも適用した制度が個人版民事再生(個人再生)であり、2001年に施行された比較的新しい制度です。


個人再生手続は、裁判所が認めた金額を原則3年間(例外として5年間)をかけて、債権者に支払うことになります。


自己破産と異なる点は、借金が全額免除されるわけではないという点です。

また、自宅を維持しながら再建を図れるという点も特徴です。


ただし、手続が複雑なため利用者数は少ないのが実情です。


個人再生のメリット

個人再生のメリットには、次のようなものがあります。


  • 借金が大幅に軽減される場合がある。
  • 資格制限・職業制限がない。
  • 強制執行による差押さえを停止できる。
  • マイホームを手放す必要がない。

借金が大幅に軽減される場合がある

個人再生は、任意整理よりも借金を減らすことが出来る債務整理手続です。

一般的には、5分の1程度に圧縮されます。


ただし、減額幅は最低弁済額(個人再生手続中に支払う総額のこと)に応じて変わります。


負債額に応じた最低弁済額と借金の圧縮率については、下表をご参照下さい。


最低弁済額と借金の圧縮率

負債額最低弁済基準額借金の圧縮率
3000万円~5000万円借金の10分の190%
1500万円~3000万円300万円80%~90%
500万円~1500万円借金の5分の180%
100万円~500万円100万円0%~80%

通常、算出された最低弁済額を原則3年をかけて返済していきます。

3年間での完済が難しい場合は、5年の分割払いに変更することも可能です。


資格制限・職業制限がない

個人再生手続では、自己破産のように資格制限・職業制限がありません。

そのため、そのまま現在の仕事を続けることが出来ます。

また、自己破産のように免責不許可事由などもありません。


差押さえを停止できる

給与の一部(4分の1に相当)を差し押さえられると、現在の生活が苦しくなるため、これを回避する必要があります。

個人再生を申し立てて手続きを開始すると、給料の差押えなどの強制執行手続きを一時中止、または取消すことが出来ます。


強制執行の取り消しを申し立てた後、裁判所に認められた場合は、差押さえを回避することが出来ます。


マイホームを手放す必要がない

個人再生は、自己破産のように自宅など高額な財産を処分する必要がありません。

個人再生の住宅資金特別条項を利用すれば、自宅を残しながら借金整理を行うことが可能です。


住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは、住宅ローンに関する特別なルールのことを言います。

正式には「住宅資金貸付債権に関する特則」と言い、民事再生法196条以下に規定されています。

小規模個人再生、給与所得者等再生のどちらでも申立てることが出来ます。


個人再生のデメリット

個人再生のデメリットには、次のようなものがあります。


  • 手続が複雑。
  • 信用情報機関に登録される。
  • 官報に掲載される。
  • 整理対象の債務を選ぶことが出来ない。

手続が複雑

個人再生は、手続きが煩雑で難易度が高いというデメリットがあります。

個人再生手続には、個人商店主や小規模事業者を対象とした「小規模個人再生」と会社員などの給与所得者を対象とした「給与所得者等再生」の2つがあります。

基本的に、書類の作成や申し立てを一人で行うことは非常に難しいため、専門家のサポートが必須となります。


信用情報機関に登録される

個人再生の信用情報機関への登録期間は、再生手続き開始決定から5年、もしくは10年です。


消費者金融会社の多くが加盟するJICC(日本信用情報機構)では、ネガティブ情報として5年間に渡って登録されます。

金融機関の多くが加盟するKSC(全国銀行個人信用情報センター)では、官報情報は10年間登録されます。


信用情報機関は、CRIN(クリン)と呼ばれる交流ネットワークを通じて相互に情報を共有していますが、官報情報については対象外です。


ちなみに、CIC(シー・アイ・シー)では、2009年4月1日より官報情報の収集・保有を中止しています。


官報に掲載される

個人再生を行うと、申立人の氏名や住所などが官報に掲載されます。


官報とは

官報とは、国が発行する機関紙であり、法令の公布をはじめ国や特殊法人等の諸報告や資料、破産・再生・会社更生関係の情報も公告されます。

官報には、紙媒体とインターネット媒体の2種類があります。


ネット版の官報は、過去30日分を無料で閲覧することができます。


官報へは、再生手続きを開始決定した時、書面決議または意見聴取をする時、再生計画認可決定をした時の計3回掲載されます。


整理対象の債務を選ぶことが出来ない

個人再生手続では、任意整理のように、整理対象の債務を選ぶことが出来ません。

全ての債権者が整理対象となります。


自己破産

自己破産

自己破産とは、債務者自身の申立てにより破産手続開始の決定を受ける手続のことを言います。

自己破産をする際は、要件を満たしていることが前提となります。

これを「破産手続開始の原因(破産原因)と言います。」


破産法では、個人の破産手続開始原因を支払不能と定めています。


支払不能とは、弁済能力がないため、継続的に支払いができない状態のことを指します。


破産手続開始の裁判において、申立者が支払不能であるか判断されます。

自己破産手続においては、同時廃止管財事件の二つがあります。

また、管財事件には少額管財事件と呼ばれるの一類型が存在します。


同時廃止管財事件少額管財事件
内容資産を持っていない人のための手続き一定の財産がある場合の手続
免責不許可事由がある場合またはあると疑われる場合
簡易的な管財事件
破産者の負担を抑えるため、管財事件に比べて費用が安く、期間も短い

自己破産は、破産者の財産をお金に換えて、そのお金を債権者に分配する手続です。

破産者が換価できる財産を持っていない場合は、自己破産手続の開始と同時に終結するため、同時廃止と呼ばれます。


一方、管財事件は、破産者に一定の財産がある場合に用いられる手続です。

裁判所によって破産管財人が選任され、破産者の財産を調査・管理・処分し、債権者に配当されます。

また、破産の原因が免責不許可事由に該当すると判断された場合は、たとえ同時廃止で申し立てをしていても管財事件に移行します。


免責不許可事由(破産法252条1項)とは、特定の事情を理由に、裁判所が免責を許可しない事由(原因)のことを言います。


つまり、破産手続きを行っても、裁判所に免責不許自由であると判断された場合は免責が許可されません。

借金の原因がギャンブルや浪費による場合や、換金行為、財産の隠匿があった場合は、免責不許可事由に該当します。


自己破産のメリット

自己破産のメリットには、次のようなものがあります。


  • 全ての債務が免除される。
  • 債権者からの取立て・支払い督促が停止する。

全ての債務が免除される

自己破産をする上での最大のメリットだと言えます。

裁判所によって免責が許可されると、全ての借金の支払いが免除されます。

もちろん、これ以降は、債権者から給料の差し押さえを受けることはありません。


ただし、非免責債権については、免責許可決定が下った後でも支払い義務が残ります。


非免責債権とは

非免責債権とは、免責の効果が及ばない、支払い義務が残る債権のことを言います。

税金や健康保険税、年金、下水道利用料などの租税等の請求権や罰金、慰謝料、婚姻費用分担金、養育費などが代表的な非免責債権です。


債権者からの取立て・支払い督促が停止する

自己破産の申し立てを行い、予納金を納めると、裁判所から債権者に対して意見聴取書が送付されます。

これにより債権者側に破産手続きを行ったことが明らかになるため、取立て・支払い督促を停止することが出来ます。


また、裁判所に提出した申立書が審査により受理された場合は、破産申立て受理票が発行されるため、それを受け取り債権者に送付するという方法で取り立てを停止することが出来ます。


自己破産のデメリット

自己破産のデメリットには、次のようなものがあります。


  • 破産した事実が信用情報機関に登録される。
  • 一定期間は新たな借り入れができない。
  • 一部を除き財産を処分する必要がある。
  • 資格制限・職業制限がある。
  • 官報に掲載される。
  • 必ずしも免責が認められるわけではない。

信用情報機関に登録される

自己破産を行った事実は、信用情報機関に登録されます。

JICCでは、基本的に免責が確定した翌日を起算日として5年間に渡って保有・管理されます。

KSCでは、官報に掲載された破産者の情報を10年間登録しています。


一定期間は新たな借り入れができない

信用情報機関に登録される(ブラックリスト入り)ため、今後5~10年間は新たな借入は出来なくなります。


信用情報機関への登録が消えるということは、新たな借り入れが出来ることを意味します。

しかし、基本的に、破産先の貸金業者・金融機関から再度借入れをすることは不可能となります。

これは、破産者のデータを自社で管理・保有している場合があるためです。これを俗に自社ブラックと言います。


財産を処分する必要がある

自己破産をした場合は、ほとんどの財産を処分しなければいけません。

自己破産手続は、原則、時価で20万円以上の財産を保有したまま行うことを認めていません。


ただし、自由財産に当たる財産については処分しなくてもよいとされています。

自由財産とは、生活必需品や現金(99万円以下)など、生活に必要な財産のことを指します。

この自由財産制度により、自己破産をした場合でも生活をしていけるだけの財産を手元に残すことが可能です。

また、自己破産をして免責決定が確定した後に得た収入や財産は、処分の対象ではありません。


資格制限・職業制限がある

自己破産の申し立てを行うと、一時的に一定の職業・資格(士業や警備員、宅地建物取引主任者、旅行業者など)に就くことが出来なくなります。

一定の期間とは、破産手続開始決定から復権(資格制限が解除されること)を得るまでの間のことを指します。


自己破産の申し立てを行うと、その者は破産者として扱われます。

通常、免責許可決定が確定した時点で復権となります。

この復権を得ることで、破産者から一般人として扱われるようになるため、再び資格を使った仕事をすることが可能になります。


官報に掲載される

自己破産をすると、官報という公的な書類にその事実が記録されます。

官報は、全ての裁判内容が掲載される国の広報誌のようなもので、誰でも閲覧することが可能です。

自己破産をすると官報に住所や氏名が掲載され、その情報は一生消えません。


インターネット版官報では、直近30日分の官報情報を無料で閲覧することが出来ます。

過去の記事を検索するには有料会員になる必要があります。


また、紙媒体で読む場合は、官報(日刊紙)の定期購読に申し込む必要があります。


ただし、ほとんどの人は官報を確認することはないため、掲載された場合でも第三者に知られることは稀なケースであると言えます。

しかし、近年では、ネット上に官報情報を公開するサービスもあるため、闇金だけでなく第三者にも知られるリスクもあると言われています。


また、違法貸金業者であるヤミ金はこの官報情報を元に、融資の勧誘を行う場合があります。

つまり、闇金と関係を持つリスクが高くなるというデメリットが生じます。


必ずしも免責が認められるわけではない

自己破産制度は、破産手続きと免責手続きという2つの手続で構成されます。

破産申立を行えば、必ず免責許可が下りるというものではありません。

裁判所によって免責が許可されなければ、返済義務も免除されないので、借金は残ります。


免責が許可されるかどうかは、免責許可手続きという手続によって決定します。

免責許可手続きは、裁判官と破産者の面談によって行われます。この面談の場を「審尋」と言います。

審尋は、原則として2回設けられます。場合によっては、管財人による調査が行われることもあります。


この審尋の場は、免責許可の決定に大きく影響を与えるため、正しい態度と嘘偽りのない姿勢で望むようにしましょう。

また、免責許可を確実なものとするため、必ず弁護士の判断を仰ぐことをおすすめします。


まとめ

債務整理手続を選ぶ際は、債務総額を基準に考える場合が一般的です。

債務総額が少ない方で、今後も返済する意思があり、少しでも現在の債務負担を減らしたい場合は、任意整理を選択することになります。


任意整理は、一番手軽に行える借金減額手続ですが、過払い金がある場合は大幅な減額が期待出来ます。

ただし、最近では、過払い金が発生しているケースは少なくなっているため、利息や遅延損害金のカットを前提とした債務圧縮が基本になります。


特定調停もまた、借金の減額による新たな返済計画の元、支払いを続けていくことになります。

費用は安く済みますが、直接、裁判所に出向く必要があり、書類を集めて債権者と交渉をする必要があるなど手間がかかる点がネックかもしれません。


個人再生は、債務総額が5000万以下のケースを対象とする債務整理手続です。比較的、高額な借金を抱えている方が対象となるため、債務の圧縮率も大きくなります。

ただし、個人再生は手続が複雑なので、一人で行うのは非常に困難です。

そのため、費用を抑えようと一人で手続を進めた場合でも、何らかの形で弁護士のサポートが不可欠となります。


また、個人再生手続は、任意整理や特定調停とは違い、整理先を選択することが出来ません。全ての業者が整理対象となります。


自己破産手続では、免責許可が決定すればほとんどの債務(非免責債権を除く)の支払い義務が免除されます。

しかし、高額な財産を処分・換価し、債権者に支払う必要があります。


最も高い効果が期待できる債務整理手続ですが、反面、デメリットも大きい点が特徴です。

そのため、自己破産は、多額の借金を抱えてしまい、他の債務整理手続では問題が解決出来ない場合の最終手段として考えるべきだと言えます。


債務整理比較表

任意整理特定調停個人再生自己破産
借金の減額ありありあり
(5分の1程度)
あり
(ゼロになる)
手続後の支払期間3~5年程度3~5年程度3~5年程度なし
裁判所での手続なしありありあり
信用情報機関への登録
(ブラックリスト)
ありありありあり
官報掲載なしなしありあり
財産処分なしなしなしあり
資格・職業制限なしなしなしあり
債権者(貸金業者)の選択ありありなしなし
勤務先に知られず手続可能可能可能可能

債務整理と一口にいっても様々な方法があるため、各人のケースに応じて、適切な手続を選択する必要があります。

債務整理を検討される方に覚えておいて貰いたいのは、自分一人で行うよりも、法律の専門家に相談する方が確実だということです。


まずは無料相談サービスを利用して、弁護士・司法書士にあなたの返済状況を伝えて下さい。

債務総額や年収などに応じて、最適な債務整理手続を提示して貰うことが出来ます。


債務整理に強い専門家

借金問題は、自分一人で悩んでいても状況が好転するわけではありません。まずは専門家に相談をして解決を図ることをおすすめします。

この項目では、債務整理に強い専門家を紹介しています。


弁護士法人 イストワール法律事務所

イストワール法律事務所

事務所名弁護士法人イストワール法律事務所
所在地〒102-0093
東京都千代田区平河町2-4-13
ノーブルコート平河町403
代表者弁護士 多田 浩章
第二東京弁護士会所属
営業日9:00~21:00(年中無休)
メールは24時間受付
業務内容任意整理
自己破産
個人再生
過払い金返還請求

イストワール法律事務所は、闇金問題に強い弁護士事務所として有名ですが、ヤミ金解決実績だけでなく債務整理手続でも高い手腕に定評があります。

依頼者の状況と希望を最大限に考慮してくれるので、最適な債務整理を提案してくれます。

そのため、画一的な処理(自己破産)を押し付けられることはありません。


可能な限り破産や民事再生を利用しない借金整理方法を提案してくれます。

イストワール法律事務所は、ヤミ金や債務整理などの借金問題に特化した弁護士事務所です。

相談は初回無料で対応してくれるので、お気軽にお問い合わせ下さい。


弁護士法人イストワール法律事務所へ相談する ⇒


司法書士 アヴァンス法務事務所

アヴァンス法務事務所

事務所名アヴァンス法務事務所
所在地【大阪本店】
〒541-0041
大阪市中央区北浜2丁目2-22 北浜中央ビル3F

【東京支店】
〒101-0024
東京都千代田区神田和泉町1-1-14 パシフィックビル2F
代表者代表司法書士 姜 正幸
大阪司法書士会会員登録番号 第4065号
簡裁訴訟代理関係業務認定番号 第312005号
営業日【大阪本店】
平日9:30~21:00/土日祝9:30~19:00
上記営業時間以外は、一時受付のみで、相談業務は翌営業日に行います。

【東京支店】
9:30~21:00
(土・日・祝日に面談を希望される場合は事前にお問い合わせください)
業務内容任意整理
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借金問題は、誰にも相談できないと一人で悩んでいる人も多くいらっしゃいます。

お金の悩み・苦しみから解放されたいと思ったら、まずは専門家に相談をしてみることをおすすめします。

アヴァンス法務事務所は、高い知名度と確かな実績を持つ債務整理業務を専門に行う司法書士事務所です。


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相談時の注意点

アヴァンス法務事務所は、1社あたり140万円以下の借金について、任意整理の相談・手続きが可能です。

認定司法書士は、140万円を超える案件については、取り扱うことが出来ません。


そのため、借入総額が高額になる場合は、弁護士事務所に相談することをおすすめします。


記事
借金問題で悩んだら債務整理を考えてみませんか?
タイトル
借金問題で悩んだら債務整理を考えてみませんか?
説明
債務整理手続(任意整理・特定調停・個人再生・自己破産)の解説ぺージです。
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ヤミ金取り立て・嫌がらせは相談解決!

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