ヤミ金の契約書・借用書の実態

ヤミ金 契約書 借用書 実態

ヤミ金の契約書について

お金の貸し借りをする際には、取り決めた内容を明文化するために、書面で残すことが一般的です。

ヤミ金によっては、借主との契約時に 契約書 、もしくは 借用書 を作成する場合があります。

契約書は、契約を締結する際に、その契約内容を書き記した文書のことを言います。


しかし、ヤミ金は違法業者であるため、正しい契約書を残すとは限りません。


このページでは、ヤミ金が契約書を交わす理由や交わす場合の注意点について説明をしています。



ヤミ金が契約書を交わす理由

ヤミ金が契約書を交わす理由

契約時に書類を交わすことがあるのは、直接、金銭のやり取りを行う対面型の違法貸金業者です。

つまり、店舗などの拠点を構えて活動するヤミ金融です。


地場金融とは、特定の地域を中心にお金を貸す小規模の貸金業者のことを言います。地域密着型で融資を行う街金と同じ意味合いを持つ金融業者です。多くの地場金融・街金は、貸金業登録を行い正規の営業を行っていますが、一部、刑事罰の対象である出資法の上限金利を超える違法な貸し付けを行う業者も存在します。

ヤミ金融が借主と契約書を交わすのは、契約内容の証拠を残すことで、借主の返済意思を証明し、返済が滞った場合を想定して個人情報を収集することが主な理由です。


契約内容の証拠

契約書類には、いつ、誰が誰に対して、いくら貸したのかを書き記す必要があります。

つまり、借入日と貸主(お金の貸し手)、借主(お金の借り手)、借入金額(元本)を記載します。


それらに加えて、金利(利率)や利息の支払い方法、資金使途などの項目が設けられています。


闇金であるため、この場合の金利は、法定金利を大きく超えるトサン(10日で3割)やトゴ(10日で5割)などといった違法金利です。


返済意思の証明

借金の契約書は、金銭貸借契約の事実を 借主が返済の意思があることを証明するために用いられます。


書類の最後に契約を締結したことを示すために、貸主と借主のサインを記入します。


通常、契約書類には、当事者両名が署名押印(署名捺印)を行います。

闇金の場合でも署名押印を求めることがあります。


個人情報の収集

契約書は、当事者間の契約内容を証明するための書類ですが、ヤミ金が重視するのは、主に借主の個人情報です。


一般の消費者金融に申し込みをする場合でも、借主の返済能力を判断するために必ず個人情報の提出を求めますが、違法貸金業者であるヤミ金も同様に個人情報の提出を要求します。

借主本人の名前、収入、勤務形態、連絡先などの他に、勤務先や緊急時の連絡先などを記載させることもあります。


このような情報を把握する理由は、審査時に返済能力を見極めるためという意味合いもありますが、なにより相手の弱みを握ることにあります。

借主が返済不能になった場合に、個人情報を利用して取り立てをしやすくするために利用します。


また、契約書類は、重要な顧客情報でもあるため、お金を引っ張るためのいわゆる「カモリスト」としても利用されます。

一度、ヤミ金と手を切ることが出来た場合でも、別のヤミ金や詐欺業者から勧誘が来ることも少なくありません。


最近では、ネット上のサービスを利用して貸し付けを行うタイプのヤミ金(個人間融資・ソフト闇金など)が主流ですが、このようなヤミ金は基本的に契約書を交わすことはありません。


近年では、店舗を構えず、ネットを利用して個人でお金を貸し付ける手口が横行しています。個人間融資は、消費者金融やクレジット会社などの正規業者からお金を借りることの出来ない人をターゲットにしています。このページでは、掲示板・SNSで勧誘する個人間融資の実態に迫ります。
ソフト闇金の中には、WEBサイト(ホームページ)を構えて集客を行っている業者が存在します。あからさまに「闇金」と名乗って運営しているため、誰が見ても違法貸金業者であると見分けることが出来ます。このページでは、WEBサイト(ホームページ)を開設して違法貸し付けを行うソフト闇金の実態について説明していきます。

インターネットを通じて利用者を募るため、物理的に証明書のようなものを送付することはないようです。


借用書と金銭消費貸借契約書の違い

お金を貸し借りする際は、その取引内容を証明するために契約書を作成します。

金銭の貸し借りをする場合の契約書には、借用書金銭貸借契約書の2種類があります。


借用書と金銭貸借契約書の違いを把握しておきましょう。


借用書

借用書 (借用証書)は、金銭の貸し借りがあった事実を証明するための書類です。

後述する「金銭消費貸借契約書」に比べると、簡易的に用いられる場合が多く、個人間でお金の貸し借りをする際に作成します。


借用書は、貸主が原本を作成します。

借主のみが署名・押印をした後、原則、貸主が原本を保管します。


このような性質を持つため、貸主によって書類が改ざんされる恐れがあります。

当然、相手がヤミ金の場合は、そのリスクは高くなります。


借用書には、単純に「契約の証拠として扱われるもの」と「法的な効力を持つもの」があります。


基本的に、借用書には法的効力はありません。

あくまでも当事者間での紛争を未然に防ぐことを目的として、契約の存在を確認・証明するために用いられます。


そのため、借主が支払いを滞納した場合でも、財産や給与の差押さえ(強制執行)を行うことは出来ません。

差押さえをするためには、借用書を公証役場で公正証書にする必要があります。


公正証書とは

公証人法に基づき、公証役場において法務大臣に任命された公証人が作成する公文書のこと。

証明力、執行力があるため、債務不履行があった場合は強制執行が可能となる。


金銭消費貸借契約書

金銭消費貸借契約書は、貸主と借主が金銭消費貸借契約を締結する際に、双方の合意内容に基づいて取り交わされる契約書です。

借用書と同様に、契約の事実を証明するための証拠として用いられます。


消費者金融カードローンや銀行カードローンなどの契約時に作成する場合が一般的です。


書面には、利息や遅延損害金、担保、連帯保証人の有無などを明記します。

また、貸主と借主双方の氏名と住所を記載し、押印します。


金銭消費貸借契約書と借用書の違いは、作成する書類の枚数です。

借用書は1部のみ作成しますが、金銭消費貸借契約書は貸主と借主の双方が保管するため、2部作成します。※連帯保証人がいる場合は3部。


貸主だけが保管する借用書とは違い、借主も契約書を保管します。

そのため、改ざんがあった場合でも、その事実が発覚すれば、すぐに指摘することが出来ます。


ただし、借用書と同じく、差押さえをする場合は、公正証書化して法的効力を持たせる必要があります。


基本的に、ヤミ金は「金銭消費貸借契約書」ではなく「借用書」を用いるケースがほとんどです。


ヤミ金は、借用書などの契約書と併せて「本人確認書類のコピー」の提出を求めて来ることがあります。


本人確認書類のコピー

本人確認書類とは、個人の身分を証明するための書類です。身分証とも呼ばれます。

本人確認書類には、運転免許証、健康保険証、パスポート、学生証、年金手帳、個人番号カード(マイナンバーカード)などがあります。


ヤミ金融の中には、金銭を貸し付ける条件として、本人確認を名目に免許証や保険証のコピーの提出を要求してくる場合があります。


本人確認書類の提出を求める目的は、借主の個人情報を入手することです。

返済が滞った場合は、この入手した個人情報を元に、取り立てや嫌がらせが行われます。


また、ヤミ金の中には、返済が滞ると誓約書念書の提出を求めて来ることがあります。


誓約書・念書

誓約書念書は、当事者の一方がもう一方の相手に対して申し入れる合意書です。

契約書とは違い、両者の合意に基づくものではありません。


また、書式についても、特にフォーマットがあるわけではありません。

誓約書・念書は、借主が書き入れ、貸主(申し入れをした側)のみが所有・保管します。


ただし、誓約書や念書に法的な効力はありません。


交渉によって相手の言質を取った後に、その内容を証明するために書面に残します。

つまり、取引を有利に進めること相手に対して精神的なプレッシャーを与えることの2点が目的であると言えます。


ヤミ金から誓約書・念書などを書くように要求された場合、安易に従って書類に記入してしまうと、その後のやり取りが不利になります。


ヤミ金と契約書を交わす注意点

ヤミ金と契約書を交わす注意点

対面型のヤミ金に申し込むと、契約書(借用書)に必要事項を記入するように指示される場合があります。

ヤミ金との取引において、契約書を交わす場合の注意点を把握しておきましょう。


もちろん、ヤミ金から借り入れをすることを推奨するものではありません。ヤミ金と関わりを持つことはおすすめしません。


本名・住所を記入しない

ヤミ金と契約書類を交わす場合、本名や住所を記入するのは危険です。

また、勤務先や家族、友人、知人の情報を教えることも避けましょう。


違法業者に個人情報を知られるということは、リスクしかありません。

ヤミ金が個人情報を入手する目的は、お金を回収するための取り立てを行うことにあります。

また、個人情報を利用して、デリバリーや救急車を呼ぶ、別のヤミ金から借り入れをするなどの嫌がらせを行うこともあります。


さらに、新たな違法貸金業者や詐欺業者などから、高い確率で勧誘が来ることになります。

書類に記入するよう求められても断るようにして下さい。 ※お金を借りることは出来ないかもしれませんが、結果的にはその方がいいはずです。


ヤミ金融に銀行口座を教えた場合、押し貸しに遭う可能性があるため、取引に使用した口座は解約しておいた方がいいかもしれません。


押し貸しとは、貸借契約をしていないのにも関わらず、勝手に自分の銀行口座にお金が振り込まれ、その後暫くして法外な利息を請求するという闇金業者の手口です。増額融資と言って何度も振込んだり、完済後であっても入金してくるケースもあります。また、押し貸しという呼称の他に、強制貸付けとも呼ばれることがあります。

ヤミ金に個人情報を渡すことは、あらゆる面において不利になることを理解しておきましょう。


ただし、虚偽の情報を記入してしまうと、詐欺に該当することもあるため注意が必要です。


借用書の改ざん

ヤミ金融は、借用書を自分達の都合のいいように扱います。

そのため、書類に記載している内容を勝手に改ざんすることがあります。


利率を不正に書き換えたり、勝手に条件を書き加えることがあります。


日付や金額は、改ざんを防ぐためにはっきりとした文字で書く実印で押印をしないことも重要になります。

改ざんを防ぐ場合は、数字や漢数字ではなく、大字(だいじ)で記入することも有効です。


大字(だいじ)とは

数字の大字(だいじ)とは、単純な字形の漢数字の代わりに用いる漢字のこと。

意図的に画数が多く難しい漢字を用いることで、不正な改ざんを防ぐことが可能となる。


【例】
「一」に対応する「壹」、「二」に対応する「弐」、「三」に対応する「参」、「六」に対応する「陸」、「十」に対応する「拾」、「百」に対応する「佰」「千」に対応する「阡」、「万」に対応する「萬」など。


借用書のコピーを貰っておけば、後から改ざんの事実を明らかにすることが可能です。

借用書の写しを得ることは、法律の専門家に相談する際や民事訴訟を行う場合の重要な証拠にもなります。


しかし、現実には、ヤミ金が借主に借用書のコピーを渡すことはないでしょう。

違法貸付の証拠を渡すということは、自分達の弱みを握られることになるからです。


写真もしくは動画を撮ることが出来れば大きな強みになりますが、見つかった場合の安全は保障できないため、おすすめはしません。


まとめ

通常、ヤミ金は、借主に契約書類を渡すことはありません。

なぜなら、違法貸付の証拠を公にすることにより、警察の摘発に遭うリスクが高まるからです。


ヤミ金被害者が警察に駆け込んでも、契約書がなければ証拠不十分で対応してもらえないケースも少なくないようです。


軽い気持ちでヤミ金を利用してしまうと、トラブルに遭い、後悔する事態になりかねません。


基本的に、闇金問題を一人で解決することは非常に困難です。


書類に記入してヤミ金からお金を借りてしまった場合は、ヤミ金問題に強い弁護士・司法書士に相談することが重要になります。

ヤミ金が契約書を保有している場合でも、違法金利が記載された契約内容は無効になるため、あきらめずに対処することが大事です。


闇金に強い全国対応の専門家

ヤミ金問題に強い、頼れる弁護士・司法書士事務所をリストアップしています。

どの専門家も全国対応・相談無料です。

まずは、無料相談ダイヤル・無料相談メールを利用して問い合わせてみることをおすすめします。


ウォーリア法務事務所
坪山正義 司法書士

ウォーリア法務事務所

ヤミ金融と徹底交渉!解決力に定評あり!
ヤミ金と全力で戦う正義の司法書士

費用地域事務所所在地
費用についての詳細は
お問い合わせください。
全国対応大阪市北区西天満4丁目10番4
相談費用相談受付時間分割対応
無料電話受付/8:30~22:30
月曜日~土曜日対応
メール相談は24時間受付中
可能
無料相談ダイアル
無料相談 0120-899-045

ウォーリア法務事務所へ無料電話相談する ⇒

ウォーリア法務事務所に相談する ⇒

ウォーリア法務事務所の詳細情報を見る ⇒


シン・イストワール法律事務所
山下信章 弁護士

シン・イストワール法律事務所

ヤミ金融との交渉に特化した弁護士事務所
警察との連携で迅速な解決が可能!

費用地域事務所所在地
費用についての詳細はお問い合わせください。全国対応東京都千代田区平河町2-4-13
ノーブルコート平河町4F
相談費用相談受付時間分割対応
無料24時間365日可能
無料相談ダイアル
無料相談 0120-773-046

シン・イストワール法律事務所へ無料電話相談する ⇒

シン・イストワール法律事務所にヤミ金被害を相談する ⇒

シン・イストワール法律事務所の詳細情報を見る ⇒



エストリーガルオフィス
東口昌弘 司法書士

エストリーガルオフィス

相談のしやすさとリーズナブルな料金設定がポイント
市民に身近な「街の法律家」

費用地域事務所所在地
1件:44,000円(税込)
件数が多いとさらに安くなります。
全国対応大阪市北区豊崎3丁目4-14
相談費用相談受付時間分割対応
無料(平日)9:30~21:00
メール相談は24時間受付中
可能
無料相談ダイアル
無料相談 0120-867-018

エストリーガルオフィスへ無料電話相談する ⇒

エストリーガルオフィスにヤミ金被害を相談する ⇒

エストリーガルオフィスの詳細を見る ⇒



記事
ヤミ金の契約書・借用書の実態
タイトル
ヤミ金の契約書・借用書の実態
説明
ヤミ金が契約書を交わす理由や交わす場合の注意点について説明しているページです。
執筆者
メディア
ヤミ金取り立て・嫌がらせは相談解決!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

トップへ戻る