
「ヤミ金に売った…」口座譲り渡しで68歳アルバイト男逮捕
銀行口座を他人に譲渡したとして、中京署などは8日、犯罪収益移転防止法違反容疑で、福岡市博多区堅粕、アルバイトの容疑者(68)を逮捕した。「生活が苦しくヤミ金業者に売った」と供述し、容疑を認めているという。
逮捕容疑は、正当な理由がないのに自分名義の銀行口座のキャッシュカード1枚を渡して暗証番号を伝えるなどし、他人に口座を譲り渡したとしている。
同署によると、昨年9月~今年2月、京都市内の60代女性が株の取引手数料名目で計約1億1千万円をだまし取られた事件で、逮捕容疑者名義の口座が使用されていたという。
出典:https://www.sankei.com/west/news/161109/wst1611090038-n1.html
解説
ヤミ金に譲渡した銀行口座は、犯罪に利用される可能性は極めて高いと言えます。
そのため、ヤミ金に口座を売り渡す行為は、詐欺罪、犯罪収益移転防止法違反などの罪に問われることになります。
詐欺罪(刑法第246条第1項)の条文には、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と明記されています。
ヤミ金に口座を売り渡すという目的を隠して、銀行口座を開設することは人を欺く行為です。
また、通帳やキャッシュカードを譲渡した時点で財物を交付したと考えることが出来るため、詐欺罪の成立に必要な条件をすべて満たし、犯罪が完成したことになります。
ヤミ金は、返済の代わりに口座を渡すように求めてくる場合がありますが、口座を譲渡してしまうと犯罪に加担することになるため絶対に止めて下さい。
口座譲渡者の情報は、警察を通して銀行が加盟している信用情報機関「全銀協」に登録されるため、それ以降は口座を新規で解説することが不可能になります。
当然、ヤミ金だけでなく第三者に譲渡することが目的で口座を開設した場合は詐欺罪に該当します。くれぐれも譲り渡すことのないよう注意して下さい。