
債権買い取り称するヤミ金摘発 - 大阪府警
「ファクタリング」と呼ばれる合法な資金調達などと騙し中小企業の経営者らに対してあわせて90万円を違法に貸し付けたとして、警察が男8人を逮捕しました。
貸金業法違反の疑いで逮捕されたのは東京の「東洋商事」の元従業員の容疑者(32)ら4人と、「MINORI」社長の容疑者(32)ら4人です。
容疑者らは大阪と東京の中小企業の社長らに対して債権を買い取る「ファクタリング」と呼ばれる資金調達をするなどと騙し、実際には合わせて90万円を無許可で貸し付けた疑いがもたれています。
契約時には合法な資金調達などと話していましたが、実態は高金利で貸し付けているとみられ、のべ250社に対し3億円以上を貸付け利益は1億円を超えるとみられます。
出典:http://www.mbs.jp/news/kansai/20170125/00000081.shtml
解説
ファクタリングとは、企業の売掛債権を買い取り、自己の危険負担で代金回収(債権の管理・回収)を行う金融業務のことを言います。
一般的に、企業の持つ売掛金や受取手形などの売掛債権をファクタリング会社へ手数料を支払って売却します。
これにより、本来は企業で行う債権の回収業務をファクタリング会社が代行することが出来るようになります。
通常、ファクタリングは、企業側にしてみれば、自社の資金ニーズに応じて臨機応変に債権を売却することで、売却代金を受け取ることが可能となります。
また、その際に銀行借入のように担保を請求されることもありません。
そのため、資金調達の効率化や迅速化が図れるというメリットがあります。
ファクタリング業務は、特別な免許を必要としないため、正規業者と闇金業者の見分けが極めて難しいというのが実情です。
そして、ファクタリングを騙るヤミ金は、支払い期日までにどうにかして現金を手に入れたいという事業者の心理を巧みに利用し、つけ込んで来ます。
近年、増加傾向にあるヤミ金によるファクタリングは、ファクタリング本来の意味を離れ、融資や貸金と言った意味で使用されものが多くなっています。
今回の闇金業者による手口もまた、違法な高金利を取る実質的な貸金行為であったものと予想されます。