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ヤミ金の罰則について
闇金融・ヤミ金は犯罪です。
犯罪とは、罪を犯すこと。刑罰が科される行為・事実のことを言います。
お金の貸し借りを”業として”行うことは、法律によって厳しく制限されています。
“業として”とは
反復継続し、社会通念上、事業の遂行とみることができる程度のものを指す。
営利目的がないとする場合でも貸金業に該当する。
法律に違反して貸金業を営んだ場合は、違法貸金業者(ヤミ金融)と判断され、刑事罰の対象となります。
刑事罰とは
反道義的、反社会的な犯罪に対して科せられる刑罰のこと。
貸金業を営む者は、必ず「貸金三法(貸金業法・利息制限法・出資法)」を遵守することが求められます。
貸金業法とは
貸金業法とは、消費者や事業者に対して貸付けを行う貸金業者に関する規制などを定めた法律です。
多重債務問題の解決と安定的な貸金市場の構築を目指し、2006年12月に抜本改正され、2010年6月に完全施行されました。(改正貸金業法)
貸金業登録を受けなければならない者については以下の通りです。
- 金銭の貸付または金銭の貸借の媒介を業として営もうとする者
- 手形の割引、売渡担保等よって金銭の交付または授受の媒介を業として営もうとする者
貸金業の定義(貸金業法第2条1項)
この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付または当該方法によってする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)で業として行うものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
- 国または地方公共団体が行うもの
- 貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うもの
- 物品の売買、運送、保管又は売買の媒介を業とする者がその取引に付随して行うもの
- 事業者がその従業者に対して行うもの
- 前各号に掲げるもののほか、資金需要者等の利益を損なうおそれがないと認められる貸付けを行う者で政令で定めるものが行うもの
貸金業の定義を考える上で、重要な部分は金銭の貸付けとその媒介の二点です。
手形の売買(割引)や売渡担保は、金銭貸借契約ではなく売買契約であるとされていますが、実質的には金銭の貸付けと同義であるため貸金業として判断されます。
また、貸主と借主の間に立って両者の契約を成立させる「媒介」行為も貸金業とみなされます。
金銭貸借時の利息の有無は関係しません。つまり、無利息で貸し付けを行う場合も貸金業に含まれます。
貸金業を営む者は、貸金業法に基づいて必ず国(財務局長)または都道府県(都道府県知事)に届け出をして貸金業登録を受ける必要があります。(貸金業法第3条1項)
登録の種類
貸金業登録の申請先は、財務局長もしくは都道府県知事のいずれかですが、以下のような違いがあります。
申請先 | 概要 |
---|---|
財務局長 | 2つ以上の都道府県の区域に営業所・事務所を設置する場合。 |
都道府県知事 | 1つの都道府県の区域内にのみ営業所、事務所を設置する場合。 |
貸金業登録は誰でも行えるわけではありません。
以下の貸金業登録要件をすべて満たす必要があります。
項目 | 要件 |
---|---|
設置義務 | 営業所又は事務所を設置し、固定電話を設置していること。 |
貸金業務取扱主任者(国家資格) | 営業所又は事務所で貸金業の業務に従事する者を置くこと。 貸金業務取扱主任者は常勤の者であること。(他の営業所と兼任することは不可) |
純資産額 | 純資産額(貸借対照表において資産の合計額から負債の合計額を引いた額)が5,000万円以上 貸金業を営む期間中はこの額を下回らないこと。 |
貸付けの業務の従事歴 | 申請者が法人:役員のうちに貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者があること。 申請者が個人:申請者が貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者であること。 また、営業所等ごとに貸付けの業務に1年以上従事した者が常勤の役員又は使用人として1人以上在籍していること。 |
紛争解決 | 指定紛争解決機関との間で手続実施基本契約を締結すること。 |
指定信用情報機関 | 個人向け貸付けや個人を保証人とする場合、指定信用情報機関に加入していること。 |
登録拒否要件 | 貸金業法第6条第1項各号に該当しないこと。 |
貸金業法に違反し、無登録で貸金業を営んだ場合は刑罰の対象となります。
貸金業法(無登録営業)違反の罰則
貸金業を無登録営業した者には罰則が適用されます。(貸金業法第47条)
罰則は、法人かそうでないかで罰則の内容は異なります。
法人の場合 | 10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金、あるいはその両方が科される。 |
---|---|
法人以外の場合 | 5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、あるいはその両方が科される。 |
また、貸金業を営む者は、法定金利を越える利息で貸し付けを行った場合も罰則の対象となります。
金銭消費貸借契約において貸主(貸し手)は、金銭を貸し付ける際に借主(借り手)から利息を取ることが認められています。
しかし、貸主が自由に金利を設定して利息を取ることが認められているわけではありません。
利息を取る際は、利息制限法、出資法などの法律で定められた上限金利を守る必要があります。
利息制限法とは
利息制限法とは、貸主の暴利から借主を保護するために、金利の上限について定めた法律です。
上限金利を超える貸付けは、原則、無効となります。
つまり、当該契約は無効となるため、利息の返還は不要です。
上限金利は、元金に応じて変動します。
元金 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20.0% |
10万円以上100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
たとえば、10万円をトイチ(10日で1割)で借りる契約を結んだと仮定します。
トイチを年利に換算すると年365.0%です。
これは利息制限法の上限金利である年20.0%を大きく超えることになります。
年20.0%を超える部分の貸付は無効であるため、このような暴利に対して返済義務はないとされています。
ただし、利息制限法に違反した場合でも罰則規定は設けられていません。
高金利貸し付けの罰則の対象となるのは、出資法に違反した場合です。
出資法とは
出資法は、出資金を集めることや高金利を規制するための法律です。正式名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」。
出資と預り金の定義、出資法での主な規制内容は下表の通りです。
定義 | 規制内容 | |
---|---|---|
出資 | 当初から元本の返還義務があるもの | 不特定かつ多数の者に対し、出資の払い戻しとして、元本を保証して資金の受け入れをすることを禁止 |
預り金 | 返還義務がないもの | 正規に認可を受けた金融機関以外が不特定かつ多数の者から、預金、貯金又は定期積金の受入れをすることの禁止 |
利息制限法は、主に消費者保護を目的としていますが、出資法は主に貸金業者などを規制し取り締まることを目的としています。
出資法では、金融業者に対し、年20.0%を超える金利での貸し付けを違法と定めています。非貸金業者は年109.5%。
ただし、非貸金業者の場合でも利息制限法の適用を受けるため、利息制限法の上限金利を超える部分での貸し付けは無効とされています。
また、金銭貸付の媒介を行う者が年5%を超える手数料の契約、または手数料を受け取ることを禁止しています。
ちなみに、かつての出資法の上限金利は年29.2%でした。
この旧出資法と利息制限法の金利差によりグレーゾーン金利が発生し、過払い金の原因となっていました。
現在では、この金利差は解消されており、過払い金が生じることはありません。
出資法違反の罰則
出資法に違反した場合は、以下の罰則が科されます。
貸金業者の場合 | 10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金、あるいはその両方を併科 |
非貸金業者の場合には | 5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、あるいはその両方を併科 |
出資法に違反した場合は刑事罰の対象とするというもので、刑法の特別法です。
刑罰とは

刑罰とは、犯罪行為者に科せられる制裁のことを言います。
裁判で有罪判決を受けた人に対して、その人の生命や自由、財産を強制的に奪うことを認めています。
日本においては、「死刑」「懲役」「禁錮」「罰金」「拘留」「科料」という6種類の主刑と、「没収」という附加刑を規定しています。
貸金業法・出資法に違反した場合は、懲役刑もしくは罰金刑、あるいはその両方が併科されます。
懲役刑

懲役刑とは、受刑者を刑事施設に拘置して、定役(刑務作業)に従事させる刑罰です。(刑法 12条2項)
刑務作業とは
刑務所に収容されている受刑者が従事する作業のこと。
刑務作業の目的は受刑者に苦痛を与えるためでなく、就業を通じ勤労意欲を養うものであり、職業訓練を通じて社会に復帰した際の更生を図るための重要な処遇方策のひとつ。
懲役刑の受刑者は、刑務所に拘束され、労働の義務を負います。
貸金業法・出資法違反の懲役期間の上限は、共に10年(非貸金業者は5年)です。
懲役刑と似た刑罰に禁錮刑があります。
禁錮刑は、刑務所に拘束され自由を制限されるため、受刑者は労働義務を負うことはありません。 (刑法第13条)
ただし、禁錮刑の受刑者が労働を希望する場合は刑務作業に従事することができます。
裁判所で判決が確定して、懲役刑または禁錮刑が言い渡された場合は、刑務所に入ることになります。
ただし、刑の全部の執行猶予が付された場合は、直ちに刑務所に収監されるということはありません。
また、刑の一部の執行猶予が付された場合は、言い渡された刑期のうち、執行猶予された期間を差し引いた期間、刑務所に入ることになります。
禁錮刑、懲役刑は、罪の軽重によって適用されるケースが異なります。
- 禁錮刑 … 交通事故などの過失犯といった比較的軽度の犯罪を犯した者や政治犯が対象
- 懲役刑 … それ以外の犯罪者が対象
一般的に、禁固刑は比較的軽度な犯罪が対象となります。一方、懲役刑は幅広い犯罪に科されるケースが一般的です。
罰金刑

罰金刑とは、国家が犯罪に対する刑罰として強制的に金銭を取り立てる刑のことです
刑法では上限については一般的に制限していません。
そのため、個々の条文が定める罰金額の上限に従うことになります。
貸金業法・出資法違反の罰金額の上限は、共に3,000万円(非貸金業者は1,000万円)です。
まとめ
貸金業法・出資法に違反して貸金行為を行った場合は、刑事罰が科されます。
刑事罰が科されるのは、貸金業者だけでなく個人もその対象となります。
貸金業を営む場合は、必ず法律を守って正しく行うことが求められます。
最近ではネットを通じて、誰でも不特定多数の他者と繋がることが可能ですが、違法な貸金行為を行う者も存在しています。
ヤミ金は犯罪です。お金の貸し借りにはくれぐれも注意しましょう。
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